「宝石標本は語る―宝石学の世界(近山晶コレクションから)」開催レポート
2026年1月24日、見事に晴れた青空のもと、「宝石標本は語る―宝石学の世界(近山晶コレクションから)」を開催しました。


今回テキストとする阿依アヒマディ博士の最新刊『麗しの宝石・結晶・鉱物~近山晶コレクション』は変型A4版・オールカラー176Pの大ボリュームの一冊。その中から博士がエッセンスを直接解説くださる機会とあって、はじまる前から教室は熱気で包まれました。

「宝石は地下からの手紙」と話すアヒマディ博士。
「地球上には今6100種の鉱物があります。宝石の分類ができるようになったのは約300年前、そんなに古いことではありません」
「宝石の鑑別の教育が始まったのは1920年代。ロシア、そしてフランスで人工的に結晶が作られ、最初は戦時利用で、そのあとに宝石用に出回り、偽物か本物かの看破が必要になりました」
日本における宝石学教育の第一人者である近山晶先生。近山先生が講師を務めたゼミやセミナーの卒業生たちは2万人を超えるといいます。
「近山先生がすごいのは、世界100箇所以上の鉱山を周り、全部のサンプルを採取したことです。さらに、その鉱山ではなぜこういうものが出るのかということを、自分のゼミ生たちのために書き残したことです」
研究者として自身も世界の鉱山を歩いたアヒマディ博士は、近山先生が50年前に書き残した鉱山と鉱物の史料の精度が高く、自身の考察と同じであることに唸ったといいます。
近山晶先生が遺したのは約3万点に及ぶ貴重なサンプルストーン。縁あってそれを目の当たりにした博士は、ワシントンのスミソニアン博物館で、かの有名なホープダイヤモンドの青色の秘密を探る調査に参加していた折に、スミソニアンの展示の仕方などを見ながら、近山コレクションの展示方法-現在のGSTVジェムミュージアムの構想を思いつかれたそうです。
セミナーはさらに、鉱物がなぜできるのか「生まれた環境の6つの分類」、それぞれから生まれる代表的な宝石、色の起源、「なぜブラジルからこんなにたくさんの宝石がでるのか(ペグマタイトのおかげ)」から、「結晶のジュエリーへの生かし方(どのような結晶に注目すると良いか)」など、ジュエリーに寄せたエピソードまで、幅広く濃密なセミナーとなりました。

さて、16年前の2010年に第2回目のムスブセミナー&交流会(「宝石の品質の見分け方と価値の判断 」講師:原田信之氏)の開催以来、台東デザイナーズビレッジの鈴木淳村長とともに、ここを会場にさせていただきながら、ほんとうにたくさんのセミナー&交流会を開催してきました。
このあと長期改修工事に入る台東デザイナーズビレッジ会場での開催は、今回で最後となります。そのラストをアヒマディ博士によるセミナー&交流会(満員御礼)で締めくくれることができて嬉しい限りです。ご参加くださった皆さま、アヒマディ博士、鈴木デザビレ村長、そしてこれまで気にかけてくださった方々へに心よりお礼を申し上げます。
イベント詳細
- イベント名
- 「宝石標本は語る―宝石学の世界(近山晶コレクションから)」
