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甲府ジュエリー産地バスツアー2019夏レポート

2019年7月10日、梅雨の合間の晴れ間のもと、「甲府ジュエリー産地バスツアー2019」が催されました。
今回はツアー史上初、参加者がオールウィメンズです。
今の日本のジュエリークリエイションのなかで、女子パワーが元気なことがうかがえます。

最初の訪問地、山梨ジュエリーミュージアムで
今開催中の「指輪-指先のきらめき」「宝美展」を駆け足でめぐり(ゆっくり見られたらよかったですが!)

次の訪問先「シミズ貴石」に向かいます。
シミズ貴石では手摺りのマエストロ、清水幸雄さんが
宝石研磨とはなんぞや、どうやって行うかを説明しながら
手摺りの実演をしてくださいました。

「どれでやってみようか?アメ?(アメシスト)レモンクオーツ?」
「アメシストで!」の声を受けて、
原石から少しずつ目の細かい研磨盤をチェンジ。
最後に水の中から輝くファセットカットが生まれると
参加者から「おおお~」のどよめきが上がります。

シミズ貴石は原石のストックも豊富で、好きな色目や模様が出た原石を選んで「ここの部分をこうカットして」というオーダーも可能。
「最初このツアーに参加して、次は一人でうちに来て、夜まで原石を選んでいくクリエイターさんもたくさんいるよ」と清水さん。
石好きクリエイターの駆け込み寺のような存在です。

次は「かいてらす」で開催中のジェムストーンフェアへ移動。
天然石のルースやジュエリーパーツ、製品などが一同に揃う場とあって
がぜん、バイイング熱が高まります。
今回のランチはかいてらす内の「レストランワインクラブ」で、
各自、都合の良い時間帯でとるシステムです。
レストラン側も慣れたもの。時間を惜しんで周りたい人も多いのでしょう、
オーダーを受けた店員さんが
「お出しするのに10分くらいかかりますから、
見ていらしても大丈夫ですよ!」と声をかけてくれました。

午後の訪問先は「貴石彫刻オオヨリ」と「詫間宝石彫刻」です。
この2軒は距離にして50メートルほどのご近所さん。
研磨師の大寄智彦さん(貴石彫刻オオヨリ)と、
詫間康二さん(詫間宝石彫刻)は幼馴じみという間柄。
参加者が目にする工程がかぶらないように
「じゃ、うちではこっちの工程をお見せしますねー」とご案内くださるのも有り難いです。

貴石彫刻オオヨリ (上)お父さんの大寄芳朗さん(下)息子の智彦さん

2か所とも、他ジュエリーブランドさんとのコラボレーションが非常に豊富。
ジュエリー研磨の話のみならず、ブランド展開、今のジュエリーの傾向など
クリエイターとしての貴重なアドバイスもお話しくださり、
これからブランドを立ち上げようというクリエイターさんには大いに勉強になった模様でした。

詫間宝石彫刻の詫間康二さん

最後の訪問先は「依田貴石」。
若いクリエイターさんからのオファーも多く
手摺りの「勾玉」も人気上昇中。
昔ながらの座式スタイルの研磨盤で
依田和夫さんと2人の息子さんの3人体制で
手摺りひとすじ取り組んでいます。

ふっくらフォルムの水晶に細かなファセットをつけたルースからは
依田さん一家の温かみが伝わってくるよう。
参加者さんもいろいろなデザインアイデアが浮かんだようです。

ツアーのしめくりは「まるごと山梨交流館」での交流会です。
主宰の山梨県産業労働部のみなさん、本日の訪問先の職人のみなさん交えてあちこちで交流の輪が生まれます。
お料理は地場産のマリネやソーセージ、サラダやパスタなど。
飲み放題の山梨ワインを片手に話がはずみます。

シミズ貴石さん、依田貴石さん提供の
「手摺りの宝石」を賞品にした「大じゃんけん大会」で
盛り上がりは最高潮。
見事勝ち取った参加者さんからは
「一生の思い出、いい作品をつくります」という言葉も。

名残惜しくも山梨の皆さんに手を振られて
ツアー一行のバスは一路新宿へ。
「研磨産地ツアー2019夏」は無事に終了したのでした。

 
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